沈下し変形した水路を改修した現場　秋田県秋田市

秋田県秋田市で沈下・変形した排水路の整備工事が行われました。

沈下した排水路で水浸し・泥溜り・悪臭

かさ上げ工事が行われたのは秋田市内の幅約1.4mの既設プレキャスト水路で延長約80メートルです。

地盤や隣接する建物などの影響を受け、水路が一部大きく沈下し高低差70cmもの変形が起きておりました。これにより、大雨の時や雪解け水が大量に流れる時にその場所からオーバーフローし周辺に被害を起こしておりました。

また、それとは逆に水量が少ないときには流れが悪く、水が溜まり悪臭が発生したり虫がわくなど日頃より問題となっておりました。

コンクリート杭・板の土留めでは不向き

コンクリートを使用する従来水路かさ上げ工事近隣住民に被害が及んでいるため早急な改修工事が必要でしたが、コンクリート杭と板でかさ上げする工法や現場打ちなどコンクリート材料を使用する方法では重量があるため、水路の沈下がさらに進んでしまうことが懸念され改修方法に悩まれておりました。

軽量化できるハイテン鋼製擁壁での嵩上げ工法

そこで、コンクリートを使用する工法より大幅に軽量化できるハイテン鋼製擁壁「EZメタルウォール」での水路かさ上げ工法が施工されました。

EZメタルウォールは従来のSS鋼材より強度の高い「ハイテン鋼」を使用した鋼製擁壁です。水路や側溝の側壁の厚みや形状に合わせて自由に加工ができ、今回のような大きく変形してしまった水路にも柔軟に対応できます。

今後の沈下が心配で重いコンクリート材料を使用できない場所に最適です。

ＥＺメタルウォールの設置

設置方法は水路脇を掘り、EZメタルウォールを側壁にかけていくだけです。

今回の現場では、事前調査にて水路の変形を細かく計測しひとつひとつ設計されました。そのため施工当日は差し込んでいくだけで設置が完了し大幅な工期の短縮になります。

この水路でかさ上げする高さは255～950mmとなり、長さ2m、重さは平均約45kgとなりました。コンクリートでの工法に比べ大幅に軽量化できています。

側壁への固定

水路は沈下に伴い幅方向にも複雑に変形していたため、EZメタルウォールを側壁に差し込んだ後、固定と生コンの注入を行い調整しています。

製品同士の連結と止水処理

製品同士はボルトで連結し、止水には漏水補修シート「マルチメンテシート」を使用して施工しました。

マルチメンテシートはアスファルトを活用したシートで耐久性・密着性が高く、バーナーで炙って貼り付けていくタイプの剥がれにくい強力粘着の漏水補修用シートです。コーキング材での止水処理も有効ですが幅15cmあるシート型の止水材を貼り付けることで広範囲を一度に止水できるというメリットがあります。

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沈んだ部分の底上げ

落ち込んでしまった水路の底に発泡ウレタンで底上げをしてレベルを合わせる工事も同時に行われました。

問題の多かった水路が無事修繕完了

工事はすべての工程を合わせて１週間で無事完了しました。

オーバーフロー・悪臭・虫の発生など、問題の多かった水路を改修できたことで近隣住民の方々に安心していただけるようになりました。

工事終了後の施工業者様の評価

施工した業者様からは、「精度が非常に良い！」と、お言葉をいただきました。